私は以前、高校で書道を教えていました。
今では近所に住む小学生や幼稚園に通う子へ習字を教えています。
そもそも習字(書写)と書道、何が違うのか?
ごちゃごちゃになっている方も多いと思うので、そのお話をさせてください。
私自身、細かいことは気にしないタイプなので習字を書道と言っても気にならないのですが、一応、何が違うのかお伝えしたいと思います。
習字(書写)とは、文字を正しい書き順で、読みやすく整えて書けるように字を習うことです。毛筆だけでなく、硬筆でも書きます。
書道とは、習字(書写)を基盤にし、書を通して自分の気持ちを表現できるようになることです。
具体的には、過去の優れた筆跡を元に、古いものでいうと紀元前1300年頃の甲骨文字まで遡り、さまざまな書の表現方法を学びます。
そこから書の美しさを追求し、紙と墨と筆を使って自己表現していく芸術分野です。
学校の授業では、小中学生の国語科目で書写を勉強し、高校の芸術科目で書道を勉強するようになっています。高校によって、書道ではなく、美術や音楽を選択するようになっていることもあります。
つまり、学ぶ目的が違ってきます。
現に、普段使える字を先生が綺麗に書いて、それを見てまねる教室へ通われる方が多いです。大抵の方がこれを書道教室と言っていることが多いですが、これは習字教室です。
目的が違うんだということだけ理解してもらえたら、正しく習字(書写)、書道が使い分けて話せると思うので、よかったら参考にしてみてください。